単語登録をするとき、1個ずつ登録するのはめんどうですよね。
「一気に入力する方法はないのかな?」と思うことでしょう。
実は、決まったルールにのっとってエクセルで作成し、テキストファイルを作れば一括で単語登録できます(エクセルを使うやり方はこちら)。

本記事では単語登録用の辞書データを作成する方法、辞書データを自分のパソコンに入れる方法(インポート)、そして辞書データを外部に保存する方法(エクスポート)を紹介します。
なお、今回紹介する辞書データのインポートとエクスポートは次のような状況で活躍するので、ぜひ参考にしてくださいね。
インポートとエクスポートが役立つ状況
このページの目次
単語登録用の辞書データを作る方法
では単語登録の「辞書データ」をどうやって作ればいいか解説しますね。
Excelで作る方法と、メモ帳で作る方法があるのでそれぞれを紹介します。
単語登録用の辞書データを作る方法
エクセルを使って辞書データを作成する手順
単語登録の一括登録データは、エクセルを使って作成するのがラクです。ではさっそく、その手順を説明しますね。
エクセル(Googleスプレッドシート)でデータを作る
まずはエクセル、もしくはGoogleスプレッドシートでデータを作ります。

左の列から1読み 2単語 3品詞の順番にテーブルを作成します。
「品詞」は正しく入れるに越したことはありません。でも、めんどうなら基本的には「名詞」で問題ないです。
入力した文字をコピーする
前項でエクセル用のデータを作りましたが、実はエクセル用のデータそのままでは使えません。
最終的には拡張子が「.txt」になっている、いわゆるテキストデータにします。

そのために、エクセルで作成したデータをCtrl+C(Macの場合はCommand+C)でコピーしましょう。

上の画像のように、入力した3列だけをドラッグしてコピーしてください。
このエクセルデータはもう使わないので保存しなくてもOK。
メモ帳に貼り付ける
ではメモ帳を開き、Ctrl+V(Macの場合はCommand+V)でペーストしましょう。
すると、次のようになりました。
辞書データの例
おつ お疲れさまです。 名詞
おは おはようございます。 名詞
こんば こんばんは。 名詞
こんち こんにちは。 名詞
おせ お世話になっております。 名詞
エクセルやGoogleスプレッドシートで作ったデータをメモ帳にコピーすると、文字と文字の間に「Tabで作られた空白」が入ります。
一括登録用のデータにはこれが重要です。通常の「スペース」ではエラーになります。
最後の行で改行して保存
メモ帳へのコピペができたら、最終行に空白の改行を挿入しましょう。
どういうことかというと、次の画像のように最後にEnterキーを押して改行するという意味です。

これを忘れると、最後に入れている単語がうまく登録できません。
保存形式に注意して保存
このデータに名前をつけ、テキストデータで保存しましょう。

「辞書データ」と呼んでいますが、ただのテキストデータですね! 拡張子「.txt」で終わるデータのことです。
ただし、IME(日本語入力ソフト)によって、インポートできる保存形式が決まっています。
たとえばWindowsに最初から入っている「Microsoft IME」だと、「UTF-16 LE」か「Shift-JIS」で保存していないとインポートできません。
辞書を保存するときに「エンコード」のところで「UTF-16 LE」か「Shift-JIS」に変更してから保存しましょう(詳細は後述しています)。

あとは次項で紹介するインポートをすればデータが入りますよ。
メモ帳で辞書データを作る手順
今度はエクセルを使わずに「メモ帳」で辞書データを作る手順を紹介します。
エクセルで作りたい場合は前項をどうぞ。
メモ帳で作成/保存する
最初の手順は、単語登録用の辞書データをメモ帳で作成し保存すること。
拡張子が「.txt」になっている、いわゆるテキストデータのことです。

「辞書データ」と呼んでいますが、メモ帳で気軽に作れるんですね!
ただし、IME(日本語入力ソフト)によって、インポートできる保存形式が決まっています。
たとえばWindowsに最初から入っている「Microsoft IME」だと、「UTF-16 LE」か「Shift-JIS」で保存していないとインポートできません。
辞書を保存するときに「エンコード」のところで「UTF-16 LE」か「Shift-JIS」に変更してから保存しましょう(詳細は後述しています)。

読み・単語・品詞の3つを順番に入力
2つ目の手順は、読み・単語・品詞の3つを1つの行に順番に入力することです。
次のように作ります。
辞書データの例
おつ お疲れさまです。 名詞
おは おはようございます。 名詞
こんば こんばんは。 名詞
こんち こんにちは。 名詞
おせ お世話になっております。 名詞
大切なのは、この3つを順番を守って3つとも抜けなく入れること。
1読み 2単語 3品詞という順番が大事で、逆になるとうまくいきません。
「品詞」は正しく入れるに越したことはありません。でも、めんどうなら基本的には「名詞」で問題ないです。
区切りのスペースは「TAB」
次の手順は、区切りのスペースとしてTabを使うことです。
さきほど見たこちらの文字列ですが、「読み」「単語」「品詞」の間にスペースがありますよね?
辞書データの例
おつ お疲れさまです。 名詞
おは おはようございます。 名詞
こんば こんばんは。 名詞
こんち こんにちは。 名詞
おせ お世話になっております。 名詞
これは普通のSpaceキーで入れた空白ではなく、Tabキーで入れた空白です。
これが普通のスペースだとエラーになります。
最終行に空白の改行を挿入して保存
4つ目の手順は、最終行に空白の改行を挿入して保存すること。
どういうことかというと、次の画像のように最後にEnterキーを押して改行するという意味です。

これを忘れると、最後に入れている単語がうまく登録できません。
単語登録用の辞書データをインポートする方法
では続いて、作成した単語登録の辞書データをインポートする方法を紹介します。
インポートとは、データを中に入れることです。
使っているIMEによってやり方が違うので、ここではWindowsで使われているMS-IMEでの手順を紹介します。
「単語の追加」を開く
まずは「単語登録」のウィンドウを開きます。
画面下部にあるタスクバーからIME(文字入力プログラム)のアイコンをマウスの右クリックし、「単語の追加」を選択しましょう。

「ユーザー辞書ツール」を開く
ウィンドウの左下にある「ユーザー辞書ツール」をクリックしましょう。

インポートする
上にあるメニューから「ツール」→「テキストファイルからの登録」の順に選びます。

あとは、インポートしたいテキストデータを選択すれば完了です。
単語登録のインポートは上書き保存ではありません。
もともとあるデータが消えることはなく、パソコン側にない登録分だけが追加されます。
すでに追加されている単語は、消えたり、重複にならないのでご安心を!
【参考】辞書データが選べない場合は?
インポート時に辞書データを選ぼうとしても選べないときがあります。
次のように、テキストファイルを選択しようとしても、そのデータの名前がグレーになって選択できないという現象です。

こういうときは、このウィンドウを一度キャンセルし、もう一度インポートし直すと直りますよ。
単語登録用の辞書データをエクスポートする方法
今使っている辞書データをほかのパソコンに移したいこともありますよね。
そういうときは、作成した単語登録の辞書データをエクスポートすれば簡単に移行できます。
エクスポートとは、自分で作ったデータを外部に「ファイル」として保存することです。
使っているIMEによってやり方が違うので、ここではWindowsで使われているMS-IMEでの手順を紹介します。
「単語の追加」を開く
まずは「単語登録」のウィンドウを開きます。
画面下部にあるタスクバーからIME(文字入力プログラム)のアイコンをマウスの右クリックし、「単語の追加」を選択しましょう。

「ユーザー辞書ツール」を開く
ウィンドウの左下にある「ユーザー辞書ツール」をクリックしましょう。

エクスポートする
エクスポートするには、上にあるメニューから「ツール」→「一覧の出力」の順に選びます。

あとは適当な場所に「.txt」形式で保存するだけです。
パソコンにインポートする手順はこちらですよ。
辞書データがうまくインポートできないときは?
単語登録用の辞書データは、うまくインポートできないこともあります。
「なにが原因なのか?」がわからなくて困ったときのために、うまくいかない理由と解決方法を紹介します。
辞書データがうまくインポートできない理由
文字コードが間違っている
辞書データがうまくインポートできないときによくあるのが、文字コードが間違っていることです。
わたしが試したところ、WindowsとMacでは次のように文字コードを変更するとうまくいきました。
OS | 文字コード |
---|---|
Windows | UTF-16 |
Mac | UTF-8 |
文字コードは、辞書データを別名保存するときのウィンドウ上で変更できますよ(下記参照)。

もし、それでもうまくいかない場合は「BOM」や「BE」がついているコードに変更して試すといけるかも……。これは試してください。
TABのスペースがおかしい
辞書データがうまくインポートできないときにある2つ目のミスが、Tabの空白になっていないことです。
先述したようにSpaceキーで入力した空白だとエラーになります。
品詞名が間違っている
辞書データがうまくインポートできないときにある3つ目のミスが、品詞名が間違っていることです。
とくに、違うIME(日本語入力ソフト)の間でエクスポート・インポートする場合、特定のIMEにしかない品詞名には注意しましょう。
たとえば「品詞なし」という品詞名は「Google日本語入力」にはありますが、「MS-IME」にはありません。
そのため、次のような文字列があるとインポート時にエラーが出ますよ。
「品詞なし」を使った例
おつ お疲れさまです。 品詞なし
もちろんGoogle日本語入力同士なら問題ありませんよ。
まとめ
今回紹介したインポートとエクスポートを使いこなせば、作業効率が格段に上がります。
記事内では「Microsoft IME (MS-IME)」でのやり方を紹介しましたが、ほかのIMEの場合はこちらの記事を参考にしてください。
ほかのIMEでインポートする手順