単語登録のコツとは? マニアのテクニックをすべて公開!

単語登録のコツとは? マニアのテクニックをすべて公開!
ヨス

執筆者

ヨス(矢野洋介)
業務効率を改善し、タイムパフォーマンスを高める時間最適化の専門家。「単語登録」の便利さを伝える「単語登録エバンジェリスト」。著書は『効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術』(KADOKAWA)、『読まれる・稼げる ブログ術大全』(日本実業出版社)。Yahoo!ニュースTech Team Journalでも執筆中、Schoo(スクー)講師

Windows や Mac、iPhone や Android のどれでも使えるユーザー辞書

ユーザー辞書に単語登録(辞書登録)をすることで、文字入力のスピードが確実に上がります。

単語登録でタイムパフォーマンスを上げよう!
単語登録でタイムパフォーマンスを上げよう!

でも、どうやって単語登録すれば、どう活用すれば時短に結びつくのでしょうか?

本記事では「単語登録のコツ」や、わたしの開発した「単語登録のテクニック」を余すことなくすべて紹介します。

単語登録のコツ

では単語登録をするときに知っておきたいコツから紹介しましょう。

ひとつ1つ詳しく見ていきますね。

使用頻度の高い単語を登録する

まず、ひとつ目に紹介する単語登録のコツは使用頻度の高い言葉を単語登録することです。

1年に1回しか使わない単語を登録するよりも、毎日何度も使う単語を登録したほうが効率的ですよね。

たとえば「いつもお世話になっております」のような挨拶は、次のように単語登録しましょう。

単語登録例

  • いつもお世話になっております。
  • いつおせ

アニメーション画像で見てみましょう。

「いつもお世話になっております。」を「いつおせ」に単語登録
「いつもお世話になっております。」を「いつおせ」に単語登録

使用頻度の高い言葉を登録しておくと、使うたびに時短ができます

短い「読み」で登録する

そして、単語登録の2つ目のコツができるだけ短い「読み」で単語登録することです。

「おはようございます」ならおはのような短い「読み」にします。

「おは」で「おはようございます。」を単語登録
「おは」で「おはようございます。」を単語登録

「おはよう」や「おはござ」に単語登録するより、「おは」のほうが短いので速く入力できますよね。

「読み」は言葉になっていなくてもいい

単語登録をするときの「読み」を律儀に日本語で入れていませんか?

日本語どころか、次の例のように言葉にすらなっていなくてもかまいません。

単語登録例

  • 現在
  • gz

アニメーション画像で見ると次のとおりです。

「現在」を「gz」で単語登録している例
「現在」を「gz」で単語登録している例

「単語」と「読み」は一致している必要はないので入力しやすい読みで登録しましょう。

むしろ、読みを日本語にしないほうがキーに触る回数が減るのでオススメです。

「競合する変換候補」をなくする

単語登録をするときの4つ目のコツが競合する変換候補をなくすることです。

たとえば、自分の住所である東京都単語区登録町1-2じゅうしょに単語登録したとします。

すると、ストレートに「住所」と入力したいときに、次のように登録した単語が優先的に出てしまいジャマをします。

東京都単語区登録町1-2

  1. 東京都単語区登録町1-2
  2. 住所
  3. 重所
  4. 重処
  5. 重書
  6. 重署
「じゅうしょ」で変換した例

そう。同じ読みの言葉同士がバッティングしてしまうんですね。

こうなると「選ぶ」という作業が発生してしまい、時間のロスが発生します。

そうならないようにするために、他の変換候補と競合しない「読み」に単語登録しましょう。

たとえば、日本語に存在しないじゅうしょ;という読みに登録するのもいいですね(セミコロンについては後述)。

記号やスペースもいっしょに単語登録する

場合によっては、登録する単語に記号やスペースを含めて登録すると便利です。

たとえばアニメの名前「『魔女の宅急便』」を単語登録するときに「二重カギカッコ」もいっしょに登録するように。

単語登録例

  • 『魔女の宅急便』
  • まじょたく

作品名には二重カギカッコを使うというルールがあるので、最初から付けていたほうが便利ですよね。

「文章」を単語登録する

単語登録」という名称ですが、文章を登録してもかまいません

「いつおせ;」に「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の××です。」を登録
「いつおせ;」に「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の××です。」を登録

もっとも登録できる文字数の少ない「Microsoft IME(Windowsに最初から入っている日本語入力ソフト)でも60文字まで登録ができます。

60文字というのは次の例文ぐらいですが、意外と長いですよね?

60文字の文章例

本サイトは「快適な文字入力テクニックを伝えたい」という想いから運営しています。もしよかったら、お友達にも教えてあげてね。

このくらいの文章は登録できるので、ぜひご活用ください。

入力しにくい文字を単語登録する

次に紹介する単語登録のコツは入力しにくい文字を登録することです。

たとえば「!」や「( 」はShiftキーを押しながらでないと入力できません。

これはめんどうですよね……。

そこで、次のアニメーション画像のように単語登録してしまいましょう。

「!」を「j」に単語登録した例
「!」を「j」に単語登録した例

この例ではを変換すればが出てくるようになっています。

とくに入力する頻度の高いものは、必ず単語登録しておきましょうね!

使わないキーに単語登録する

パソコンにはQLのように、押しやすい位置にあるにもかかわらずあまり使わないキーがあります。

こういった使わないキーに単語登録して有効活用しましょう。

たとえば、Qには「?(疑問符)」を登録するといったように。

「q」に「?」を単語登録
「q」に「?」を単語登録

Qを活用できるだけでなく、入力しやすくなって一石二鳥です。

単語登録で文字の入力ミスを防ぐ

ラクに文字を入力することだけが、単語登録の役割ではありません。

単語登録は入力ミスを防ぐためにも、非常に効果的なのです。

たとえば「ください」を「くだしあ」と入力ミスをしてしまう場合、くだしあを漢字変換したときにくださいと出るようにしていればいいのです。

単語登録例

  • ください
  • くだしあ

これを実際に入力すると次のようになりますよ。

「くだしあ」に「ください」を単語登録
「くだしあ」に「ください」を単語登録

人間は、意外と同じ入力ミスをするので!

覚えられない漢字を単語登録

覚えられない漢字に単語登録を活用する方法もあります。

次のようにに「読み方」とともに単語登録してしまいましょう。

単語登録例

  • 已(イ)

「お金を払って教えてもらう」というイメージでに登録しています。

表記統一のために単語登録

言葉の表記を統一するために単語登録を活用できます。

たとえば「お問い合わせ/お問い合せ/お問合せ/お問合わせ」のような表記の揺れを単語登録で防ぐのです。

「おt」に「お問い合わせ」を単語登録する例
「おt」に「お問い合わせ」を単語登録する例

「お問い合わせ」と書きたいときは上の例のようにおtで入力するようにすれば、二度と表記が混乱することはありません。

単語登録の具体的なテクニック

単語登録をするときに役に立つ、具体的なテクニックを紹介していきましょう。

アルファベット1文字に単語登録する

まず、一番オススメのテクニックがアルファベット1文字に登録する方法です。

たとえば、次の例ではを登録しています。

「カッコ」を「c」に単語登録した例
「カッコ」を「c」に単語登録した例

頻繁に使う「→」や「?」のような記号を単語登録するときは、アルファベット1文字に登録するのが特にオススメですよ。

その際には、次のように意味をこじつけておくと覚えやすいですよ。

単語読み理由
「( 」と「 C 」の形が似ているから
kagi(カギカッコ)」の略
「!」をひっくり返すと「j」に似ているから
question(クエスチョン)」の略
down(下へ)」の略
forward(前へ)」の略
return(戻る)」の略
アルファベット1文字に単語登録する例

アルファベット1文字に単語登録する技についてはこちらをどうぞ。

アルファベット1文字に単語登録しよう

アルファベット2連打に単語登録する

2つ目の方法は、アルファベット2連打に単語登録することです。

次のように「カッコ閉じ」をアルファベットの2連打に登録すると便利!

「c」でカッコ開き・「cc」でカッコ閉じ
「c」でカッコ開き・「cc」でカッコ閉じ
単語読み理由
「( 」と「 C 」の形が似ているから
っc
(cc)
「カッコ開き」であるの2連打
アルファベット2連打に登録する例

カッコの単語登録は、上のように関連させて登録しましょう。

アルファベットを連打して単語登録する方法はこちらで詳しく紹介しています。

アルファベットを2連打で単語登録する方法

英語のスペルに単語登録する

3つ目が、英語のスペルに単語登録する方法です。

たとえば、英語のスペルを利用して次のように登録してみてはどうでしょうか。

「buy」に「買」を単語登録
「buy」に「買」を単語登録

次のように単語登録しています。

単語登録例

  • ぶy

ぶyに登録している理由は、英語で「買う」は「buy」だからです。

そもそも、なぜ英語のスペルに登録するのかというと、変換候補が競合するのを避けるため。

たとえば「買う」と入力したいとき、次のように「飼う」が邪魔をしますよね?

飼う

  1. 飼う
  2. 買う
「かう」で変換したときの例

逆に「飼う」と入力したいときには「買う」が邪魔をする……。

選ぶとミスも生じるし、面倒なので、選択しなくても「買う」を確実に一発で入力できるようにしたい。

そこで、日本語にはないぶyという読みにを登録するのです。

けえp(keep:飼う)に登録すると、さらにいいですね!

詳しくは、英語のスペルを「読み」に活用する方法もご覧ください。

ほかの言語のスペルを「読み」に活用

略語に単語登録する

次に紹介するのは、単語登録でもっとも一般的な「略語に登録する方法」です。

たとえば、おつお疲れさまですと入力するような方法ですよ。

「おつ」で「お疲れさまです。」に変換する例
「おつ」で「お疲れさまです。」に変換する例

2〜4文字に登録しておくとラクに入力できますね!

詳しくは、略語に単語登録するをご覧ください。

略語に単語登録する方法

子音だけを取り出して単語登録する

次に紹介するのは、略語をさらに特化させた子音だけを取り出して単語登録する方法です。

たとえば「現在(genzai)」をgzに単語登録するような感じです。

「現在」を「gz」で単語登録している例
「現在」を「gz」で単語登録している例

単語登録例

  • 現在
  • gz

いろいろな言葉をアルファベット2文字に登録するようにすれば、爆速になりますよ。

前項で紹介した「読みを英語のスペルにする方法」と組み合わせると、次のような同音異義語の出し分けでも活躍します。

単語読み理由
wrwrite(書く)」の略
drdraw(描く)」の略
「書く」「描く」の登録例

上の2つの漢字を入力するときに変換候補が出なくなるので、次のアニメーションのように入力スピードが上がります。

「wr」で「書」を、「dr」で「描」を単語登録する例
「wr」で「書」を、「dr」で「描」を単語登録する例

詳しくは子音だけを取り出して「読み」に使う方法をご覧ください。

子音だけを取り出して「読み」に使う

セミコロン(記号)を追加して単語登録

そして「記号」を追加して単語登録する方法です。

わたしは、記号の中でも(セミコロン)を追加して単語登録する方法をオススメしています。

単語登録例

  • info@example.com
  • めあど;

なぜわざわざをくっつけるのかと言うと、次の2つの入力を出し分けるためです。

単語読み
メアドめあど
info@example.comめあど;
セミコロンで入力を出し分ける例

めあどに登録してしまうと、ふつうに「メアド」と入力したいときにinfo@example.comが出て邪魔をしますからね!

こうすることで、次のアニメーション画像のようにスムーズに入力できますよ。

「めあど;」で自分のメールアドレスを登録
「めあど;」で自分のメールアドレスを登録

詳しくはセミコロンを追加して単語登録する方法をどうぞ。

単語登録にはセミコロンを活用しよう

アルファベットを追加して単語登録

記号だけでなく、アルファベットを追加して単語登録するのもオススメです。

たとえば、次のハッシュタグを単語登録する例を見てください。

「しゃh」で「#写真撮ってる人と繋がりたい」と単語登録する例
「しゃh」で「#写真撮ってる人と繋がりたい」と単語登録する例

「#写真撮ってる人と繋がりたい」というハッシュタグを「しゃh」で入力しています。

単語登録例

  • #写真撮ってる人と繋がりたい
  • しゃh

「しゃ」は「しゃしん」の略で、その後ろに「h」がついているのは「ハッシュタグ(hashtag)」の頭文字だから。

このように「h」が付けばハッシュタグ……のようにルールを決めておくと管理しやすいです。

アルファベットを追加して単語登録する方法もご覧くださいね。

アルファベットを追加して単語登録

数字を追加して単語登録

記号やアルファベットだけでなく、数字を追加して単語登録する方法もあります。

たとえば、次のような登録をすると覚えやすいし入力もしやすいです。

単語登録例

  • ★★★☆☆
  • ほし3

これをアニメーションで見ると次のとおり。

「ほし3」で「★★★☆☆」を入力
「ほし3」で「★★★☆☆」を入力

ちなみに、評価の「星3」を表しています。同じように「★★☆☆☆」なども登録すると便利!

「読み」に数字を追加して単語登録する方法もご覧くださいね。

数字を単語登録に利用する方法

頭に「ん」を付けて単語登録

「読み」の頭に「ん」のように、「通常は語頭にこないひらがなをくっつけて単語登録する方法もあります。

単語登録例

  • お疲れ様です
  • んお

「んお」という日本語の読みは存在しないため、変換して競合する言葉が出てきません。

「んお」で「お疲れさまです。」を入力している例
「んお」で「お疲れさまです。」を入力している例

この方法は、カナ入力の場合やスマホのフリック入力で活躍しますよ!

詳しくはふつうは言葉の頭にこない文字をくっつけて単語登録する方法をどうぞ。

ふつうは言葉のはじめに使わない文字

アルファベットの大文字/小文字を分けて単語登録

アルファベットの「大文字」と「小文字」で単語登録を分ける方法もあります。

たとえば、次の例をご覧ください。

単語読み
大文字・小文字の「読み」で出し分ける例

ただし、大文字のを入力するのはShiftを押す必要があり、面倒です。

小文字「d」と大文字「D」で登録する単語を変える例
小文字「d」と大文字「D」で登録する単語を変える例

詳しくはアルファベットの「大文字/小文字」を別の「読み」として単語登録する方法をどうぞ。

大文字・小文字で単語登録を分ける

正しい答えを「確認」するために単語登録

正しい答えを「確認」するために単語登録を活用する方法もあります。

たとえば「制作」と「製作」のどちらを使うべきか悩むなら、次のように単語登録するのです。

単語登録例

  • 【制作】映画や芸術品/【製作】商品・物
  • せいさく

入力するためではなく、答えを確認するために単語登録を利用しています!

「制作」と「製作」の違いをチェックするために活用
「制作」と「製作」の違いをチェックするために活用

詳しくは単語登録で「正しい答え」を確認するをどうぞ。

「正しい答え」を登録して確認する方法

まとめ

本記事では単語登録のコツや具体的なテクニックについて紹介しました。

なにも考えずに単語登録するのではなく、お伝えしたコツや基本を覚えて効率のいい単語登録をしてくださいね。

ちなみにオススメの単語登録例はこちらです。

ABOUT US
ヨス
データ入力のアルバイトをしていた20代のころ、頭を使わなくてもよい「単純作業」をいかに頭を使って効率化するかに情熱を燃やす。この経験から、自分が効率化に異常な関心があることに気づく。著書は『効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術』(KADOKAWA)と『読まれる・稼げる ブログ術大全』(日本実業出版社)。