単語登録のメリットとデメリットはなに?

単語登録のメリット・デメリットとは?
ヨス

執筆者

ヨス(矢野洋介)
業務効率を改善し、タイムパフォーマンスを高める時間最適化の専門家。「単語登録」の便利さを伝える「単語登録エバンジェリスト」。著書は『効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術』(KADOKAWA)、『読まれる・稼げる ブログ術大全』(日本実業出版社)。Yahoo!ニュースTech Team Journalでも執筆中、Schoo(スクー)講師

「単語登録は便利だ」「単語登録は効率的だ」といった話を聞きますが、それは本当なのでしょうか?

活用する前に、どのくらい効果的なのかを知りたいですよね。

本記事では単語登録エバンジェリストであるわたしが、そのメリットデメリットについて詳しく解説します。

単語登録のメリット

まずは単語登録のメリットから見てみましょう。

入力スピードが速くなる

単語登録のメリットの1つ目は、入力が速くなることです。

たとえば「いつもお世話になっております。」をいつおせに単語登録した例をご覧ください。

「いつもお世話になっております。」を「いつおせ」に単語登録
「いつもお世話になっております。」を「いつおせ」に単語登録

キーボードに触る回数が単純に減るので、入力スピードが上がるというわけです。

「選ぶ」という作業がなくなる

そして単語登録のメリットの2つ目は、「選ぶ」という作業がなくなること。

たとえば「会」と入力したくてかいを変換すると、通常は次のようになります。

  1. 下位
「かい」で変換した例

このなかから「会」を探してSpaceを連打するのは大変ですし、時間のムダですよね。

でもmtが出るようにすれば、一発で変換されます。

「mt」に「会」を登録する例
「mt」に「会」を登録する例

なぜmtなのかというと「meet(会う)」の略だからです。

単語登録を利用することでSpaceキーを連打しなくてもよくなりますよ!

競合する変換候補をなくする方法もぜひご覧ください。

入力ミスが減る

単語登録のメリットの3つ目は、入力ミスが減ることです。

たとえば、取引先に「齊藤さいとうさん」という方がいたとしましょう。

ところが、「さいとう」を漢字で書くと、次ようにいろいろなバリエーションがあるんですよね。

齊藤

  1. 齊藤
  2. 斎藤
  3. 斉藤
  4. 齋藤
  5. 齋籐
  6. 齊籐
  7. 斉籐
  8. 斎籐
  9. 済藤
「さいとう」で変換した例

そうなると、選ぶときにミスすることもありそうです。

でもstという「読み」に齊藤様を単語登録しておけば、必ず「齊藤様」で変換されるので、入力ミスをしなくなりますよ。

「st」で「齊藤様」と単語登録した例
「st」で「齊藤様」と単語登録した例

ただし、登録するときに間違うと最悪の事態になります(笑)。

相手の名前を間違うのは失礼なので、ぜひとも登録しておきましょう。

単語登録で入力ミスを防ぐ方法もご覧ください。

表記を統一できる

単語登録のメリットの4つ目は、表記を統一できることです。

たとえば「引っ越し」の表記には、次のような「送り仮名の揺れ」があります。

引っ越し

  1. 引っ越し
  2. 引越
  3. 引越し
「ひっこし」の変換例

そうなると、文章のなかでいろいろな表記が混在してしまうことも……。

複数の表記が混在する例

この春、引越し先をお探しですか?

弊社は引越業界でもトップクラスの品質と、最安値がウリです。

もし引っ越しをするなら、ぜひとも弊社に!

信頼性を損なわないためにも表記はそろえておきたいもの。

そこでhk引っ越しを登録してしまえば、複数の表記が混在するのを避けられます。

「hk」に「引っ越し」を登録
「hk」に「引っ越し」を登録

hkに単語登録しているのは「hikkoshi(引っ越し)」の略だからです。

「この文字を変換すれば、必ずこの単語が出る」と決まっていれば、安心して入力できますね!

押しにくいキーを避けられる

単語登録のメリットの5つ目は、押しにくいキーを避けられること。

たとえば「カッコ」を入力したいとき、通常だとShift8で「カッコ開き」、Shift9で「カッコ閉じ」です。

2つのキーを押さなければならないし、すこし離れた位置にあるキーだし、めんどうですよね……。

そこで次のように単語登録すれば、かなり入力しやすくなりますよ。

「c」でカッコ開き・「cc」でカッコ閉じ
「c」でカッコ開き・「cc」でカッコ閉じ

この例では「カッコ開き」はに、「カッコ閉じ」はっcに登録しています(参考:カッコの単語登録例)。

入力しにくい文字を単語登録する方法もご覧ください。

情報を覚えなくてもよくなる

単語登録のメリットの6つ目は、情報を覚えなくてもよくなることです。

たとえば、会社の住所や銀行口座などは覚えにくいですよね。

そこで次のように銀行口座を単語登録しておけば、覚える必要はありません

銀行口座を単語登録で呼び出す例
銀行口座を単語登録で呼び出す例

電話対応でも、すぐにカンニングできて便利ですよ。

「変換で出てこない単語」を入力できる

そして単語登録のメリットの7つ目は、「変換で出てこない単語」を登録できることです。

たとえばお店の名前が「TANGOとUROKU」のように変わった名称だと、登録していないかぎり入力できませんよね。

珍しい名字、イベント名、地名や方言など、ローカルな名称を何度も入力するときに単語登録は大活躍します。

使ったほうがいい文字をどんどん活用できる

単語登録のメリットの8つ目は、使ったほうがいい文字をどんどん活用できるようになることです。

たとえば区切り線記号のように、装飾に使えるものを文章で活用すれば読みやすくなります。こちらをご覧ください。

区切り線や記号を活用した文章例

━━━━━━━━━━
■ 日時
- - - - - - - - - - - - - - -

2030年4月1日




━━━━━━━━━━
■ 場所
- - - - - - - - - - - - - - -

居酒屋「TANGOとUROKU」



このように区切り線や記号があると、読みやすいです。ただし、入力しにくいのが問題……。

そこでこれらを単語登録すると、こんなに爆速で入力できるように!

ここまで簡単に入力できるなら、どんどん使いたくなります。

そして使えば使うほど、読む人にとっては読みやすくなるでしょう。

区切り線はに(「line=線」の略)、四角はsq(「square=四角)」の略に登録していますよ。

使わないキーを有効活用できる

単語登録のメリットの9つ目は、使わないキーを有効活用できることです。

日本語を入力するとき、Vのようなキーはほとんど使いませんよね。

そんなキーを有効活用できるのが単語登録です。

とくに非常に押しやすい位置にある(セミコロン)は、次の例のように活用しまくりましょう。

単語登録例

  • アメリカ合衆国
  • あめりか;

わたしは裏面を表す言葉にセミコロンを使っています(参考:セミコロンをフル活用しよう)。

単語登録のデメリット

今度は単語登録の弱点(デメリット)についてもお話しします。

登録した「読み」が覚えられない

単語登録の弱点の1つ目は、登録した「読み」が覚えられないという問題です。

これはルールを決めて覚えるしかないのですが、実は登録した「読み」を忘れてもいいです(笑)。

登録がめんどうくさい

単語登録の弱点の2つ目は、登録作業がめんどうくさいということ。

これはたしかにそのとおりです。でも単語登録を1回しておけば、文字入力するたびに恩恵を受けます

ショートカットで単語登録すれば簡単なので、ぜひやってみてください。

登録できる文字数に制限がある

単語登録の弱点の3つ目は、登録できる文字数に制限があること。

たとえばWindowsで最初から入っているMicrosoft IMEだと、60文字までしか登録できません。

こちらの文章がちょうど60文字です。

60文字の文章例

本サイトは「快適な文字入力テクニックを伝えたい」という想いから運営しています。もしよかったら、お友達にも教えてあげてね。

こうやって見ると文字数としては十分なので、制限があることはそこまで問題ないですよね。

登録時に入力ミスをするとすべてが誤字になる

単語登録の弱点の4つ目は、登録時に入力ミスをするとすべてが誤字になることです。

たとえば「あけましておめでとうございます」を間違えて「あましておめでとうございます」と入力し、登録してしまうと?

次から入力するすべての単語が100%誤字になってしまいますよね……。

単語登録するときには、誤字がないかチェックしましょう!

登録していないパソコンだと使えない

単語登録の弱点の5つ目は、登録していないパソコンだと使えないことです。

たとえばインターネットカフェのパソコンを使うときは、自分の設定した環境と違いすぎるので使いにくくなります。

これはあたりまえですが(笑)。

もし会社とパソコンの状態を同じにしたい場合は、同期させるか、設定をインポートして解決しましょう。

削除しなければずっと残る

単語登録の弱点の6つ目は、削除しなければずっと残ることです。

たとえば、会社のパソコンに自分の住所や電話番号を単語登録すると、消さないかぎり残り続けます

会社のパソコンに個人情報がずっと残り続けるなんて怖い……。

削除を忘れることも念頭に入れ、機密性の高い「パスワード」のような情報は会社のパソコンには入れないようにしましょう。

まとめ

今回は単語登録のメリットとデメリットをまとめました。

デメリットをカバーできるほどのメリットが単語登録にはあるので、めんどうくさがらずにぜひ使ってください。

文字入力のスピードの次元が1つ上がるのは確実ですから。

単語登録の魅力を広めよう!
ABOUT US
ヨス
データ入力のアルバイトをしていた20代のころ、頭を使わなくてもよい「単純作業」をいかに頭を使って効率化するかに情熱を燃やす。この経験から、自分が効率化に異常な関心があることに気づく。著書は『効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術』(KADOKAWA)と『読まれる・稼げる ブログ術大全』(日本実業出版社)。