文中の変換候補には出てこない単語登録「短縮よみ」とは?

短縮よみとは?
ヨス

執筆者

ヨス(矢野洋介)
業務効率を改善し、タイムパフォーマンスを高める時間最適化の専門家。「単語登録」の便利さを伝える「単語登録エバンジェリスト」。著書は『効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術』(KADOKAWA)、『読まれる・稼げる ブログ術大全』(日本実業出版社)、『最速で仕事の進め方が激変する Google NotebookLM 徹底活用術』(日本実業出版社)。Yahoo!ニュースTech Team Journalでも執筆中、Schoo(スクー)講師

単語登録には「短縮よみ」という機能があります。

文中に出てくるときには変換されないようにする単語登録の機能です。

本記事では「短縮よみ」がどういうものか、どういう単語に活用するといいかについて紹介します。

「短縮よみ」とは?

単語登録で使う「短縮よみ」とはなんでしょうか?

「短縮よみ」は品詞として設定する

まず、IME(日本語入力プログラム)で使われる「短縮よみ」とは、品詞を入力するところで設定できる品詞名です。

たとえば、Google日本語入力では次のように「読み」の下にあるプルダウンで選べます。

単語登録例

  • お疲れ様です
  • おつ
  • 短縮よみ

IME(日本語入力プログラム)によっては設定できません。

「短縮よみ」を設定しない場合

「短縮よみ」がどういうものかを説明するために、まずは設定しないパターンを紹介します。

たとえば、おつお疲れさまですが出るようにしたとしましょう。そのときに品詞は「名詞」として登録します。

単語登録例

  • お疲れ様です
  • おつ
  • 名詞

このように「短縮よみ」に設定せずに登録した場合、文中でおつという言葉を入力しようとすると、次のようにお疲れさまですが出現してしまいます。

失敗した例

スマホで新年のあいさつをすませる人は多いけど、あえて年賀状で出すのは、なんともお疲れさまですなものですね。

この例では、おつなものですと入力しようとして、入力ミスになっていますよね。

Spaceで変換したところ、「おつなものです」のおつお疲れさまですになってしまいました。

「短縮よみ」に設定するとどうなる?

今度は、短縮よみとして設定した例をご覧ください。

単語登録例

  • お疲れ様です
  • おつ
  • 短縮よみ

「短縮よみ」に設定していると、次のように文中に出てくるおつには単語登録が適応されなくなります。

例文

スマホで新年のあいさつをすませる人は多いけど、あえて年賀状で出すのは、なんともおつなものですね。

このように、文中に出てくるときには変換されないようにするのが「短縮よみ」です。

「短縮よみ」の設定方法

「短縮よみ」の設定方法を紹介します。

有名なIMEでは、Google日本語入力MS-IMEATOKで「短縮よみ」を設定できます。

Google日本語入力、ATOKでは、さきほどのように単語登録するときにプルダウンで選ぶ仕様です。

単語登録例

  • お疲れ様です
  • おつ
  • 短縮よみ

Windowsに最初から入っているMS-IMEの場合は、次の場所に「短縮よみ」があります。

MS-IMEの「短縮よみ」機能
MS-IMEの「短縮よみ」機能

ここで「短縮よみ」を選択しましょう。

パソコンで単語登録のやり方はこちらをご覧ください。

どういうときに「短縮よみ」が役に立つ?

では具体的にどういうときに「短縮よみ」が役に立つのでしょうか?

基本的には、文中で使わない単語はすべて「短縮よみ」にしましょう。

そのなかでも特に、以下のような単語が短縮よみとして登録するのにオススメです。

文章・プロンプト

まず「短縮よみ」を活用したいのは、文章やプロンプトを登録したときです(参考:AIプロンプトを単語登録するコツ)。

たとえば次のように単語登録をしているとします。

単語登録例

  • 要点を5行で要約し、最重要ポイントには★を付けてください。
  • yp
  • 短縮よみ

こういう文(プロンプト)を文中で使うことは99%ないです。

むしろ、タイプミスで文中に出てしまうほうが邪魔で仕方がありません。

ただし、基本的になにかにつなげて使う「ご覧ください」のような言葉は「名詞」に登録しましょう。

単語登録例

  • ご覧ください
  • ごら
  • 名詞

これを逆に「短縮よみ」に登録してしまうと、「添付したファイルをご覧ください」と入力しようとしたときに変換されず、次のようになってしまいます。

失敗した例

添付したファイルをごら。

こんな文を取引先に送っては大変です。

個人情報

個人情報を単語登録する際にも、必ず「短縮よみ」に設定しましょう。

たとえばめーるで、自分のメールアドレスであるinfo@example.comが出るように登録したとします。

そして、「メール、お待ちしております」と入力しようとすると、次のようなミスが起こってしまいます。

失敗した例

info@example.com、お待ちしております。

こんな誤爆を防ぐためにも、個人情報は「短縮よみ」に設定しましょう。

個人的には「;(セミコロン)」などを語末につけて、次のように登録するのをオススメしています(参考:セミコロンを単語登録の「読み」に活用する)。

単語登録例

  • info@example.com
  • めーる;
  • 短縮よみ

なお、この場合は、品詞は「名詞」でも問題ありません。

まとめ

短縮よみを使えば、文中で漢字変換するときに出てこなくなるので入力ミスによる誤爆も防げます

なお、今回紹介した単語登録の「短縮よみ」は、使えないIMEもあります。

その場合は本サイトで紹介している変換候補が競合しないテクニックを駆使すれば問題ありません。

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ABOUT US
ヨス
データ入力のアルバイトをしていた20代のころ、頭を使わなくてもよい「単純作業」をいかに頭を使って効率化するかに情熱を燃やす。この経験から、自分が効率化に異常な関心があることに気づく。著書は『効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術』(KADOKAWA)と『読まれる・稼げる ブログ術大全』(日本実業出版社)、『最速で仕事の進め方が激変する Google NotebookLM 徹底活用術』(日本実業出版社)。