1日のうち、文章を入力するのは仕事中……という人は多いのではないでしょうか?
そんな人にぜひともやっていただきたいのが、仕事上で使う言葉や文の単語登録です。
本記事では、「ビジネスで使う言葉」を登録するときのポイントやビジネスで使う言葉の単語登録例を紹介します。
「ビジネスで使う言葉」を登録するときのポイント
ビジネスで使う言葉を単語登録するときにはポイントがあります(参考:単語登録のやり方)。
5つのポイントを紹介しますね。
「ビジネスで使う言葉」を登録するポイント
「かぶらない読み」で登録
1つ目の「ビジネスで使う言葉」を登録するときのポイントは、ほかの単語と「読み」がかぶらないことです。
たとえばご無沙汰しております。をごに登録するとどうでしょうか。
次のように、漢字変換するときにほかの単語と「読み」が競合してしまいます。
ただ単に「語」と入力したいときに、「ご無沙汰しております。」がジャマをするように……。
これは煩わしいので、変換候補が競合しないようにしましょう。
そこで「ごぶ」に登録すれば、漢字変換がスムーズにできますよ。
単語登録例
- ご無沙汰しております。
- ごぶ
「ごぶ」で変換すると「五分」「誤部」のようにいろいろ出てきますが、通常は使わないので競合しません。
ただし「読み」が1文字増えると、キーを打つ回数が2回も増えてしまいます。
もっと効率化を図るなら、子音だけを取り出して「読み」にする方法を使い、gbなどに登録するのもオススメです。
「。」も含めて登録
ビジネスで使う言葉を単語登録するときの2つ目のポイントは「 。」も含めて登録することです。
必ず文末が「 。」になる場合は、「 。」も含めて単語登録してしまいましょう。
単語登録例
- ご無沙汰しております。
- ごぶ
「 。」を入力するにはキーを1回触る必要があるので、おおげさに言えば0.1秒を無駄にしてしまいますから。
詳しくは記号やスペースもいっしょに単語登録するで紹介しています。
2つのパターンを出し分ける工夫をする
ビジネスで使う言葉を単語登録するときの3つ目のポイントが2つのパターンを出し分ける工夫をすることです。
たとえば「いつもお世話になっております」をいつおせに単語登録するとしましょう。
ここで少し考えてほしいことがあります。
それは「いつもお世話になっております。」は「株式会社〇〇の××です。」という「名乗り」といっしょに使う場合も多いこと。
でもそこで、いつおせにいつもお世話になっております。株式会社〇〇の××です。を登録するとよくないのです。
なぜならいつもお世話になっております。だけを使いたいこともあるから。
そこで、次の2つを別々に単語登録することで出し分けましょう。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
いつもお世話になっております。 | いつおせ | 「いつもおせわになっております」の略 |
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の××です。 | いつおせ; | 「いつおせ」+「;(セミコロン)」 |
上記では、いつおせ;のようにセミコロンを含めて漢字変換すると「名乗り」も入力されるというルールにしています。
セミコロンを利用する理由についてはこちらをご覧ください。
ほかにも次のような出し分けもオススメですよ。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
(株) | かぶc | 「株」+「C」 |
株式会社 | かぶ; | 「株」+「;(セミコロン)」 |
わたしの場合はCはカッコに入った文字という意味で単語登録ルールを決めています。
もちろん「(株)」も「株式会社」も両方ともかぶに単語登録してもかまいませんが、別々の読みに登録すれば変換候補から「選ぶ」という作業が発生しないためスムーズです。
ふだん使い慣れている言葉で登録
ビジネスで使う言葉を単語登録するときの4つ目のポイントは、ふだん使い慣れている言葉で登録すること。
たとえば、新年の挨拶で謹んで新春のお慶びを申し上げます。と入力したいとしましょう。
「つつしん」のような「読み」に単語登録してもいいですが、使い慣れない表現だと「謹んで」という文言を忘れてしまいます。
そこで、使い慣れている「あけおめ」に登録するのです。
単語登録例
- 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
- あけおめ
これで、入力するときに「なんて登録したっけ?」と悩むことはありません。
単語登録は「単語」と「読み」に何を入れても自由ですから!
いろいろな表現を選べるようにする
ビジネスで使う言葉を単語登録するときのポイントで最後に紹介するのは、いろいろな表現を選べるようにすることです。
先述した謹んで新春のお慶びを申し上げます。には類似の表現がいろいろありますよね?
もし相手によって使い分けたい場合は、次の例のように全部あけおめに登録してしまいましょう。
先ほど、単語登録の基本は「かぶらない読み」で登録することだと述べました。
ところが、ビジネスで使う言葉は相手によって使い分けることがあるため、この基本を逸脱したほうがいいシーンも多いのです。
ちなみに「読み」には、前項で紹介した「ふだん使い慣れている言葉」に登録するのがポイントです。
【ローマ字入力】「ビジネスで使う言葉」を単語登録する例
では、ローマ字入力で「ビジネスで使う言葉」を単語登録する例を紹介します。
「あいさつ」の単語登録例
ビジネスで使うあいさつ、会社でよく使うあいさつは必ず単語登録しましょう。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
いつもお世話になっております。 | いつおせ | 「いつもおせわになっております」の略 |
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の××です。 | いつおせ; | 「いつおせ」+「;(セミコロン)」 |
ご無沙汰しております。 | ごぶ | 「ごぶさたしております」の略 |
ご無沙汰しております。株式会社〇〇の××です。 | ごぶ; | 「ごぶ」+「;(セミコロン)」 |
お疲れ様です。 | おつ | 「おつかれさまです」の略 |
お疲れ様です。××です。 | おつ; | 「おつ」+「;(セミコロン)」 |
ここでポイントなのは「あいさつだけ」の場合と「あいさつ + 名乗り」の場合で、登録を分けていることです。
自分の名乗りも追加する場合は;を追加するといったルールを決めておくと便利ですよ(先述しています)。
「感謝と謝罪」の単語登録例
あいさつと同じレベルでよく使う表現といえば、感謝と謝罪でしょう。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
ありがとうございます。 | あり | 「ありがとうございます」の略 |
ありがとうございました。 | あり; | 「あり」+「;(セミコロン)」 |
ご連絡ありがとうございます。 | ごれ | 「ごれんらく」の略 |
ご連絡ありがとうございました。 | ごれ; | 「ごれ」+「;(セミコロン)」 |
申し訳ございません。 | もうござ | 「もうしわけございません」の略 |
申し訳ございませんでした。 | もうござ; | 「もうござ」+「;(セミコロン)」 |
この場合も「ありがとうございます。」と「ありがとうございました。」を別々に登録するのがオススメです。
たとえば上の例では、過去形の「ありがとうございました。」になると;を付けるというルールにしています。
「締めのあいさつ」の単語登録例
締めに使うあいさつも単語登録しておきましょう。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
よろしくお願いいたします。 | よろ | 「よろしく」の略 |
それでは、よろしくお願いいたします。 | それよろ | 「それではよろしく……」の略 |
今後とも、よろしくお願いいたします。 | こんよろ | 「こんごともよろしく……」の略 |
お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。 | おてよろ | 「おてすうおかけしますが、よろしく……」の略 |
お手数ですが、ご連絡くださいますようお願いいたします。 | ごれ | 「ごれんらくください……」の略 |
お手数ですが、ご確認くださいますようお願いいたします。 | ごか | 「ごかくにん」の略 |
とくに「よろしくお願いします」の前には「今後とも」や「お手数おかけしますが」などいろいろあります。
上記の例ではそれぞれの「読み」を分けていますが、もちろん全部よろに登録しておき、その都度選んでもかまいません。
そのほかに使うあいさつの単語登録例
そのほか、特定の期間や状況で使うあいさつも単語登録しておくと便利です。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
お大事になさってください。 | おだいじ | 「おだいじになさってください」の略 |
休業期間中はご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 | きゅうぎょ | 「きゅうぎょう期間中は……」の略 |
本年もどうぞよろしくお願いいたします。 | ことよろ | 「ことし(本年)もどうぞよろしく……」の略 |
謹んで新春のお慶びを申し上げます。 | あけおめ | 同じ意味を持つ「あけましておめでとう」の略 |
先述しましたが使い慣れないあいさつは、使い慣れた言葉に登録するのがポイントです。
「取引先相手の名前」の単語登録例
ビジネスで単語登録しておくのをオススメする例として「よくやり取りをする取引先相手の名前」もあります。
通常では変換されない珍しい名前のときだけでなく、ふつうの名前でも単語登録してすぐに出せるようにしましょう。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
斎藤様 | st | 「Saitou(斎藤)」の略 |
香川教授 | kg | 「kagawa(香川)」の略 |
東京大学 | td | 「toudai(東大)」の略 |
グーグル合同会社 | っg (gg) | 「Google(グーグル)」の略 |
ポイントはこのように「〇〇様」「〇〇さん」のような敬称までいっしょに登録することです。
もちろん、会社名なども単語登録してしまいましょう。
特に「斎藤」のように同音異義語が多い苗字は単語登録しておくことで入力ミスを防げます。
「カッコに入った文字」の単語登録例
ビジネスで単語登録しておくべき言葉はあいさつだけではありません。
たとえばカッコに入った文字や数字も、ぜひ単語登録しておきましょう。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
(1) | 1c | 「1」+「C」 |
【1】 | 1s | 「1」+「S」 |
(月) | げつc | 「月」+「C」 |
【 重要 】 | じゅうようs | 「重要」+「S」 |
【 至急 】 | しきゅうs | 「至急」+「S」 |
(株) | かぶc | 「株」+「C」 |
わたしの場合、( )に入った文字は後ろにCを、【 】に入った文字は後ろにSをつけるというルールにしています。
詳しくは、カッコに入った文字・数字を単語登録する例をご覧ください。
「よく使う言葉・言い回し」の単語登録例
「ビジネスでよく使う言い回し」というものがあります。
たとえば「弊社」や「御社」という言葉は意外と入力が面倒ですよね。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
キーワード | kw | 「keyword(キーワード)」の略 |
回転率 | ktr | 「kaitenritsu(回転率)」の略 |
御社 | おs (os) | 「onsha(御社)」の略 |
弊社 | hs | 「heisha(弊社)」の略 |
先日の◆の件はいかがでしょうか? | せんいか | 「せんじつ〜いかがでしょうか」の略 |
ご注意ください。 | ごちゅ | 「ごちゅういください」の略 |
以下、ご確認ください。 | いかご | 「いかごかくにんください」の略 |
「会社情報」の単語登録例
ビジネスでは会社の情報を伝える場面があります。
でも、住所や電話番号を忘れることもありますよね?
そこで、そういう情報はすべて単語登録してしまいましょう。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
123-456-78901 (※ 会社の電話番号) | でんわ; | 「でんわ」+ セミコロン |
info@example.com (※ 会社のメアド) | めあど; | 「めあど」+ セミコロン |
東京都単語区登録町1-2 (※ 会社の住所) | じゅうしょ; | 「じゅうしょ」+ セミコロン |
https://example.com/contact/ (※ 会社のお問い合わせページ) | おといあわせ; | 「おといあわせ」+ セミコロン |
特に、最後に紹介している「URL」は伝える場面がよくあります。
よく質問される内容への回答が書かれているページのURLを単語登録しておくと重宝しますよ。
「単位」の単語登録例
日付の単位を示す「年・月・日」などは入力する機会が多いので、登録しておくと便利です。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
年 | ん (n) | 「nen(年)」の略 |
月 | g | 「gatsu(月)」の略 |
日 | h | 「hi(日)」の略 |
令和 | rw | 「Reiwa(令和)」の略 |
特に「日」は同音異義語が多いので、登録をおすすめします。
日にちを示す「年・月・日」などは入力する機会が多いので、登録しておくと便利です。
もっと快適にするには、数字+数詞の単語登録例も参考になりますよ。
「記号」の単語登録
ビジネスで書く文章は、簡素にわかりやすくすることも大切です。
そのため、記号を簡単に入力できるようにしておき、活用しましょう。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
( | c | 「( 」と「 C 」の形が似ているから |
) | っc (cc) | 「 C 」の2連打形 |
→ | f | 「forward(前へ)」の略 |
← | r | 「return(戻る)」の略 |
↓ | d | 「down(下へ)」の略 |
━━━━━━━━━━ | l | 「line(線)」の略 |
● | m | 「maru(丸)」の略 |
? | q | 「question(クエスチョン)」の略 |
詳しくは、記号を単語登録するときのポイントをご覧ください。
専門用語の意味を確認するための単語登録例
ビジネスでよく聞く「専門用語」の答え合わせとして単語登録するのもオススメです。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
Key Performance Indicator (重要業績評価指標) | kぴ (kpi) | 「KPI」のスペル |
Key Goal Indicator(重要目標達成指標) | kぎ (kgi) | 「KGI」のスペル |
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善) | pdか (pdca) | 「PDCA」のスペル |
Click Through Rate(クリック率) | ctr | 「CTR」のスペル |
たとえば取引先のメールに「KPI」と書かれているけど、意味を忘れた。
そういうときにkぴと入力し、変換すればKey Performance Indicator(重要業績評価指標)と出てくるので、すぐに答えがわかるのです。
答え合わせをするための単語登録もご覧ください。
「敬語」の単語登録例
敬語って覚えにくいですよね。
もし敬語に自信がない場合は、次のように単語登録しておくのも1つの方法です。
単語 | 読み | 理由 |
---|---|---|
ご覧ください。 (尊敬語) | みるy | 「見る」+「y」 ※ 尊敬語は「You(あなた)」の動作なので |
拝見します。 (謙譲語) | みるm | 「見る」+「m」 ※ 謙譲語は「Me(私)」の動作なので |
なぜこのような「読み」なのかについては、敬語の単語登録例についてをご覧ください。
まとめ
本記事ではビジネスで使える単語登録のテクニックを紹介しました。
ほかにもまだまだテクニックはあるので、ぜひ単語登録のコツ・テクニックや、単語登録のオススメ例を参考にしてくださいね。