単語登録を活用しはじめるとPCライフの次元が格段に上がりますが、物足りない部分もあります。
それが文字数の制限と「改行」です。
実はスニペットツールを使うことで、次のアニメーション画像のように単語登録の問題が完全解決します。

本記事では単語登録のさらに上をいく単語登録であるスニペットツールがどういうものかを詳しく紹介します。
とりあえず使ってみたい人はGoogle Chromeの拡張機能「Text Blaze」がオススメです(参考:Text Blazeの使い方)。
スニペットツールとは?
ではスニペットツールとはどういうものでしょうか?
簡単に言うと、次のような文字入力ができるようになるアプリです。

よく使うメールのテンプレートや、コード、コマンドなどを事前に登録し、必要なときにすばやく呼び出せるツールのことです。
開発者やライター、カスタマーサポートなど、さまざまな業界で利用されていますよ。

最近ではAIのプロンプトを入力する方法としてわたしが布教活動をがんばっています。
次のように使いまわししたいプロンプトも一瞬で入力できますよ。

本記事では「単語登録の上位互換」のように紹介していますが、厳密にはテンプレートの呼び出しアプリという位置づけです。
単語登録とスニペットツールの違い
では、単語登録とスニペットツールの違いを紹介しましょう。
スニペットツールは文字制限がない
まず、スニペットツールと単語登録の違いで一番大きいのが、スニペットツールに文字制限がほぼないことです。
こちらのように長いプログラムコードでも余裕で登録できます。

スニペットツールは改行も登録できる
そしてスニペットツールと単語登録の2つ目の違いは、スニペットツールは改行も登録できること。
単語登録の一番のネックは改行が反映されないことでしたが、スニペットツールなら次のように登録できるんです。

これだけもでもスニペットツールを使う価値がありますね!
スニペットツールはスペースキーで変換しなくていい
スニペットツールと単語登録の違いの3つ目は、スニペットツールはSpaceキーで変換しなくてもいいこと。
単語登録の場合は、ひらがなを入力したあとSpaceキーで変換し、さらにEnterキーで確定する必要があります。
それに対してスニペットツールでは、入力した瞬間に発動します。

上のアニメーション画像ではてーぶる;と入力した瞬間に登録している文字列が出現しました。
このスニペットツールは英語圏で開発されたため、漢字変換の作業がないんですね。
ただし、日本語に対応していないスニペットツールもあります。
対応していない場合は「全角→半角」にして半角アルファベットを入力し、また「半角→全角」に戻す必要が出てきます。
スニペットツールには高度な機能がたくさんある
スニペットツールと単語登録の違いの4つ目は、スニペットツールに高度な機能がたくさんあることです。
たとえば、次の4つの機能はどのスニペットツールにも備わっています。
キャレット(カーソル)の位置を指定する
たとえば、入力したあとの「キャレット(カーソル)の位置」を指定できます。

クリップボードにコピーされている文字を挿入する
ほかにも、クリップボードにコピーしている文字列を指定の場所に出すことも。

指定した日付や時間を挿入する
指定した日付(昨日の日付、1週間後の日付など)を挿入することもできますよ!

入力フォームを設定する
さらには入力フォームを出して、そのフォームに入力したデータをテキストに入れ込むこともできます。

使いこなせば、文字入力作業の次元が1段階上がりますよ。
スニペットツールで気をつけること
スニペットツールで気をつけることをまとめます。
スニペットツールで気をつけること
文字として使うスペルには登録しない
スニペットツールで気をつけるべきことの1つ目は、文字として使うスペルには登録しないことです。
たとえばいつにいつもお世話になっております。株式会社〇〇の××です。をスニペット登録するとどうなるでしょうか?
なんと「いつ」と入力するたびにいつもお世話になっております。株式会社〇〇の××です。と入力されてしまいます。
たとえば「ミーティングはいつですか?」と入力しようとすると「ミーティングはいつもお世話になっております。株式会社〇〇の××です。」になってしまいます。
その解決法は次項で紹介しますね。
トリガーを必ず入れる
スニペットツールで気をつけるべきことの2つ目は、トリガーを必ず入れて登録すること。
トリガーというのは、「銃の引き金」という意味で、スニペットツールを入力するときの引き金になる「印」という意味合いです。
通常では入力しない言葉にすることが重要なので、次のようにいつではなく、いつ;として登録しましょう。
スニペットに登録する例
- いつ
……「いつも」「いつでも」「いつか」「あいつ」「こいつ」「ドイツ」「逸話」のように、「いつ」と入力する可能性がある - いつ;
……「いつ」のあとに「;」をつけて入力する可能性はほぼない
たとえば、次の例ではryoshusho;という言葉に領収書発行をお願いするメール文面を登録しています。

もしryoshushoに登録してしまうと「ryoshusho」と入力できなくなります。
もちろん、アルファベットで「ryoshusho」と入力することはほぼないのですが、「;」を入れたらスニペットツールが起動すると意識づけておくのをオススメです。
なお、トリガーは前につけてもいいですし「@」や「:」や「#」のようなほかの記号を使ってもかまいません。
ほかの登録例
何度も書きますが、ポイントなのはほかでは入力しない文字列にすること。
わたしの場合は、「;(セミコロン)」をトリガーにして、「半角アルファベット+;(半角セミコロン)」でスニペットツールに登録した文字列を呼び出しています。
「;」は右手小指のホームポジションで入力しやすいのでオススメですよ
わたしのようにセミコロンを単語登録にフル活用している場合は、スニペットツールでの登録をすべて半角アルファベットにするのをオススメします。使い分けが明確になるので。
単語登録とスニペットツールの使い分けは?
単語登録とスニペットツールは似ていますよね。それぞれ、どういうときに使えばいいのでしょうか?
わたしの場合は、基本的には単語登録で済ませつつ、単語登録の機能でまかなえない場合のみスニペットツールを使っています。
では、わたしが使い分けている例を紹介します。
単語登録とスニペットツールの使い分け
単語登録の文字制限に収まる場合 → 単語登録
まず、単語登録の文字制限に収まる場合は単語登録を使っています。
たとえばいつもお世話になっております。株式会社〇〇の××です。という程度の文章なら単語登録で十分まかなえるのです。

単語登録には使っているIME(日本語入力ツール)によって文字制限があるので、それを超えるならスニペットツールにしましょう。
改行を反映させたい場合 → スニペットツール
入力したい文章に改行を含めたい場合はスニペットツールを使います。
たとえば、次のように1つ目の文と2つ目の文の間に改行を入れたいとき。
例
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の××です。
単語登録では改行が使えないため、こういう文面を入力したいときはスニペットツール以外の選択肢はありません。
高度なことをしたいとき → スニペットツール
もっと高度なことをしたいときにはスニペットツールを使いましょう。
たとえば、次のアニメーション画像のように現在の日付を取得してそれを文面に自動で入力したいとき。

こんな高度なことはスニペットツールでしかできませんよ。
オススメのスニペットツール
最後にオススメのスニペットツールを紹介します。
オススメのスニペットツール
Text Blaze(テキストブレイズ)
まずオススメするのは、Google Chromeの拡張機能「Text Blaze」です。

Google Chrome上でしか使えないのはネックですが、WordやExcelでもChrome上でMicrosoftのクラウドサービス「One Drive」を通して使えばText Blazeを利用できます。
WindowsやMacだけでなく、Chromebookでも使えるのはポイントが高いです。
無料版では20個までしか登録できませんが、お試しで使う場合なら十分!
ぜひこちらのリンク先の「Go to Dashboard」というボタンを押してお試しください。
無料なのでとにかく試すべき!
Text Blazeの使い方はこちらをご参考に。
PhraseExpress(フレーズエクスプレス)
次に紹介するのはPhraseExpressです。

このアプリはWindows版とMac版があり、機能も多いです。
「マクロ」を組み込み、複雑な動作も自動化できるという点では最強のスペットツールと言っても過言ではありません。
なお、iPhone版もあります。
個人利用では無料で使えますが、ビジネス利用だと有料になります。
ただし、余裕で元が取れるので、とりあえず使うことをオススメです。
すべてのアプリで使えて高機能!
まとめ
本記事では単語登録のさらに上をいく「スニペットツール」を紹介しました。
AIを使うのがあたりまえになってきた昨今では、スニペットツールの重要性が増してきたのは間違いありません。
この記事を見て気になったらいますぐ使ってみてください。
簡単に導入でき、万人にオススメできるText Blazeはちょっと触ってみるのにも最適ですよ。
無料なのでとにかく試すべき!