「単語登録は便利だ」「単語登録は効率的だ」といった話を聞きますが、それは本当なのでしょうか?
活用する前に、どのくらい効果的なのかを知りたいですよね。
本記事では単語登録エバンジェリストであるわたしが、そのメリットとデメリットについて詳しく解説します。
単語登録のメリット
まずは単語登録のメリットから見てみましょう(参考:単語登録のやり方)。
入力スピードが速くなる
単語登録のメリットの1つ目は、入力が速くなることです。
たとえば「いつもお世話になっております。」をいつおせに単語登録した例をご覧ください。
キーボードに触る回数が単純に減るので、入力スピードが上がるというわけです。
「選ぶ」という作業がなくなる
そして単語登録のメリットの2つ目は、「選ぶ」という作業がなくなること。
たとえば「会」と入力したくてかいを変換すると、通常は次のようになります。
このなかから「会」を探してSpaceを連打するのは大変ですし、時間のムダですよね。
でもmtで会が出るようにすれば、一発で変換されます。
なぜmtなのかというと「meet(会う)」の略だからです。
単語登録を利用することでSpaceキーを連打しなくてもよくなりますよ!
競合する変換候補をなくする方法もぜひご覧ください。
入力ミスが減る
単語登録のメリットの3つ目は、入力ミスが減ることです。
たとえば、取引先に「齊藤さん」という方がいたとしましょう。
ところが、「さいとう」を漢字で書くと、次ようにいろいろなバリエーションがあるんですよね。
そうなると、選ぶときにミスすることもありそうです。
でもstという「読み」に齊藤様を単語登録しておけば、必ず「齊藤様」で変換されるので、入力ミスをしなくなりますよ。
ただし、登録するときに間違うと最悪の事態になります(笑)。
相手の名前を間違うのは失礼なので、ぜひとも登録しておきましょう。
単語登録で入力ミスを防ぐ方法もご覧ください。
表記を統一できる
単語登録のメリットの4つ目は、表記を統一できることです。
たとえば「引っ越し」の表記には、次のような「送り仮名の揺れ」があります。
そうなると、文章のなかでいろいろな表記が混在してしまうことも……。
複数の表記が混在する例
この春、引越し先をお探しですか?
弊社は引越業界でもトップクラスの品質と、最安値がウリです。
もし引っ越しをするなら、ぜひとも弊社に!
信頼性を損なわないためにも表記はそろえておきたいもの。
そこでhkに引っ越しを登録してしまえば、複数の表記が混在するのを避けられます。
hkに単語登録しているのは「hikkoshi(引っ越し)」の略だからです。
「この文字を変換すれば、必ずこの単語が出る」と決まっていれば、安心して入力できますね!
押しにくいキーを避けられる
単語登録のメリットの5つ目は、押しにくいキーを避けられること。
たとえば「カッコ」を入力したいとき、通常だとShift+8で「カッコ開き」、Shift+9で「カッコ閉じ」です。
2つのキーを押さなければならないし、すこし離れた位置にあるキーだし、めんどうですよね……。
そこで次のように単語登録すれば、かなり入力しやすくなりますよ。
この例では「カッコ開き」はcに、「カッコ閉じ」はっcに登録しています(参考:カッコの単語登録例)。
入力しにくい文字を単語登録する方法もご覧ください。
情報を覚えなくてもよくなる
単語登録のメリットの6つ目は、情報を覚えなくてもよくなることです。
たとえば、会社の住所や銀行口座などは覚えにくいですよね。
そこで次のように銀行口座を単語登録しておけば、覚える必要はありません。
電話対応でも、すぐにカンニングできて便利ですよ。
「変換で出てこない単語」を入力できる
そして単語登録のメリットの7つ目は、「変換で出てこない単語」を登録できることです。
たとえばお店の名前が「TANGOとUROKU」のように変わった名称だと、登録していないかぎり入力できませんよね。
珍しい名字、イベント名、地名や方言など、ローカルな名称を何度も入力するときに単語登録は大活躍します。
使ったほうがいい文字をどんどん活用できる
単語登録のメリットの8つ目は、使ったほうがいい文字をどんどん活用できるようになることです。
たとえば区切り線や記号のように、装飾に使えるものを文章で活用すれば読みやすくなります。こちらをご覧ください。
区切り線や記号を活用した文章例
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■ 日時
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2030年4月1日
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■ 場所
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居酒屋「TANGOとUROKU」
このように区切り線や記号があると、読みやすいです。ただし、入力しにくいのが問題……。
そこでこれらを単語登録すると、こんなに爆速で入力できるように!
ここまで簡単に入力できるなら、どんどん使いたくなります。
そして使えば使うほど、読む人にとっては読みやすくなるでしょう。
区切り線はlに(「line=線」の略)、四角はsq(「square=四角)」の略)に登録していますよ。
使わないキーを有効活用できる
単語登録のメリットの9つ目は、使わないキーを有効活用できることです。
日本語を入力するとき、;やVのようなキーはほとんど使いませんよね。
そんなキーを有効活用できるのが単語登録です。
とくに非常に押しやすい位置にある;(セミコロン)は、次の例のように活用しまくりましょう。
単語登録例
- アメリカ合衆国
- あめりか;
わたしは裏面を表す言葉にセミコロンを使っています(参考:セミコロンをフル活用しよう)。
単語登録のデメリット
今度は単語登録の弱点(デメリット)についてもお話しします。
登録した「読み」が覚えられない
単語登録の弱点の1つ目は、登録した「読み」が覚えられないという問題です。
これはルールを決めて覚えるしかないのですが、実は登録した「読み」を忘れてもいいです(笑)。
登録がめんどうくさい
単語登録の弱点の2つ目は、登録作業がめんどうくさいということ。
これはたしかにそのとおりです。でも単語登録を1回しておけば、文字入力するたびに恩恵を受けます。
ショートカットで単語登録すれば簡単なので、ぜひやってみてください。
登録できる文字数に制限がある
単語登録の弱点の3つ目は、登録できる文字数に制限があること。
たとえばWindowsで最初から入っているMicrosoft IMEだと、60文字までしか登録できません。
こちらの文章がちょうど60文字です。
60文字の文章例
本サイトは「快適な文字入力テクニックを伝えたい」という想いから運営しています。もしよかったら、お友達にも教えてあげてね。
こうやって見ると文字数としては十分なので、制限があることはそこまで問題ないですよね。
登録時に入力ミスをするとすべてが誤字になる
単語登録の弱点の4つ目は、登録時に入力ミスをするとすべてが誤字になることです。
たとえば「あけましておめでとうございます」を間違えて「あめましておめでとうございます」と入力し、登録してしまうと?
次から入力するすべての単語が100%誤字になってしまいますよね……。
単語登録するときには、誤字がないかチェックしましょう!
登録していないパソコンだと使えない
単語登録の弱点の5つ目は、登録していないパソコンだと使えないことです。
たとえばインターネットカフェのパソコンを使うときは、自分の設定した環境と違いすぎるので使いにくくなります。
これはあたりまえですが(笑)。
もし会社とパソコンの状態を同じにしたい場合は、同期させるか、設定をインポートして解決しましょう(参考:単語登録のインポート/エクスポートについて)。
削除しなければずっと残る
単語登録の弱点の6つ目は、削除しなければずっと残ることです。
たとえば、会社のパソコンに自分の住所や電話番号を単語登録すると、消さないかぎり残り続けます。
会社のパソコンに個人情報がずっと残り続けるなんて怖い……。
削除を忘れることも念頭に入れ、機密性の高い「パスワード」のような情報は会社のパソコンには入れないようにしましょう。
まとめ
今回は単語登録のメリットとデメリットをまとめました。
デメリットをカバーできるほどのメリットが単語登録にはあるので、めんどうくさがらずにぜひ使ってください。
文字入力のスピードの次元が1つ上がるのは確実ですから。